県立文書館「平成15年度 第2回 徳島県立文書館協議会」会議概要
2009年9月29日
平成16年3月11日(木) 14:00〜16:00 2 会場 徳島県立文書館2階講座室 3 出席者 【委員】10名中 6名出席 2名代理出席 高橋啓会長,平井松午副会長, 赤松万里委員,桑原恵委員,澤田順子委員,大和武生委員 桑村誠委員代理,松崎敏則委員代理 【県教育委員会】 生涯学習課文化の森担当係長ほか1名 4 会議次第 1 開会 2 会長あいさつ 3 館長あいさつ 4 自己紹介 5 協議 (1) 平成15年度文書館の事業報告 (2) 運営上の課題について 1 親しまれる文書館のあり方について 2 町村合併に伴う公文書の散逸防止について (3) その他 6 閉会 5 協議概要 (1) 平成15年度の事業報告について (事務局) 今の事業報告の補足です。今年度から企画展示に際して,展示解説・展示講演会をはじめました。当館の資料は文字資料が中心で,展示も地味なものになりがちですが,絵図や写真などの視角に訴えるような資料を取り入れたり,展示解説などを行うことによって,一般の方に公文書や古文書についてより深く理解していただけるような取り組みをしていきたいと考えています。 (委員) 公文書管理・保存講座の参加者はどのような方なのでしょうか。 (事務局) 大まかに見て県の知事部局,教育委員会,市町村職員が三分の一づつといったところです。どのような公文書が歴史的文化的に価値のある資料なのかといったことや,文書管理の手法などについてもお伝えできたのではないかと思います。 (委員) 電子県庁化についはどのようになっているのでしょうか。 (委員) 平成13年度から電子文書管理システムが段階的にスタートしています。これは申請書類が中心で,それ以外のものはこれから検討していくことになっています。 (事務局) 現在情報政策課の方で“ペーパーレス”の実証実験に入っております。これは各都道府県ともつながるLANを作って,その中で文書のやりとりをやろうというものです。ここでやりとりされている文書は保存期間5年未満のもので,当館が収集対象としている保存期間5年以上の文書は,従来通り“ペーパー”の形をとることになっているようです。文書保存に関する文書館の考え方は担当部局に伝えてありますが,公文書管理と文書館が一体になった資料保存がより必要になると考えています。 (委員) 文書館も“ペーパーレス”の状況に直面せざるをえなくなるでしょうね。その際に,政策決定などの“結果”の部分のみが残って,審議の経過などが全く残されないのではないかという危惧を抱いています。 (事務局) 電子県庁化が進んでいくと,文書館としては,従来のような文書の廃棄時だけではなく作成時からコミットしていく必要があるでしょう。それが物理的に可能なのか,資料の保存や公開の方法はどうするべきなのかなどについて,これから検討していかなければならないことだと考えています。 (委員) 全史料協などでも“ペーパーレス”時代への対応についての議論はあるのですか。 (事務局) 全史料協でも,プロセスをいかにして残すか,資料の保存・改竄が容易にできてしまう,何を以て資料の“原本”とするか,コンピューターシステムが急速に進歩していく中で過去のデーターが読めなくなってしまうのではないか,などの問題点が課題としてあげられています。電子自治体化は効率化の視点から押し進められているが,資料の保存という文書館の視点も主張していくべきだとの論議がなされています。 (事務局) 全国の文書館の中で電子自体化に最もコミットしているのは北海道立文書館ですが,それでも試行錯誤が続いているようです。 (委員) 今年度もいろいろな所で資料調査・収集が行われているようですが。 (事務局) 蔵本家文書は,追加で資料を預からせていただきました。武田家文書は企画展「阿波・武道の広がり」のための写真撮影です。藍の館の資料はマイクロ撮影のために預からせていただいております。今年度で閉鎖される東洋紡と保育専門学院の資料は預からせていただいております。 (事務局) 文書館の認知度も上がったのか,古文書などを持ち込んでくれる方などもおります。これらは14年間コツコツと積み上げてきた努力が,やっと芽吹きだしたのかなと考えています。 (委員) 古文書などを家の宝であるとして大切に保管しておられる方が一杯います。ただ,代替わりなどによって所蔵者の考え方が変わって,古文書が捨てられるという例が多いのですが。 (事務局) 古文書などは,その家の大切な宝であると同時に全ての人にとっての大切な宝であるということを,例えば資料調査員のみなさんの協力をあおぎながら,或いは古文書保存講座などの機会を通して,広めていきたいと考えています。 (委員) 予算的な面はどうなのでしょうか。かなり窮屈な状況になっているということはありませんか。 (事務局) 緊縮財政の時代ではありますから縮小傾向にはありますが,文書館に関しましてはほぼ前年並みを確保しております。 (委員) 古文書を読む会のメンバーなどをボランティアとして組織して,古文書の整理などにあてるというのはどうでしょう。また,今年度から展示解説をはじめたそうですが,博物館などでやっている携帯式のイヤホーンで解説を聞くという,あのシステムはどうなのですか。 (事務局) 展示室にはボタンを押すと解説テープが流れるという音声ガイドシステムがありまして,今年度からその活用を模索しているところです。 (事務局) 資料整理というのとは少し違いますが,古文書を読む会の各班が解読をすすめている資料を出版しようというのがここ数年の課題でして,もうすぐ何冊かの資料集が刊行される予定になっています。 (委員) 企画展示が年4回というのは大変ではないですか。よくテーマが枯渇しないものだと感心しているのですが。 (事務局) テーマはみんなで相談しております。来年度の特別企画展「阿波人形浄瑠璃」は夏に開催されます全国高文祭にあわせて,徳島の文化を全国に発信したいという狙いがあります。あわせて人形浄瑠璃芝居や講演会・ワークショップなどの関連行事を計画しております。また,企画展「史料に見る徳島の災害」は,最近特に問題となっております南海大地震などとの関連を考えてのことです。 (委員) 限られた予算と人員の中で,大変頑張っておられますね。文書館協議会では以前から文書館の定数改善を求めてまいりました。現在,正規職員4人という中で,文書館は過大な業務を抱えて頑張っている。県の財政状態が苦しいことはわかりますが,職員の増員が健全な文書活動には不可欠ですので,これからの大きな課題となると思います。 (事務局) さきほどのボランティアの件ですが,文化施設等がボランティアの活動によって活性化されるというのは必然だと思います。ボランティアの方を組織してそれを動かし,その言動に責任を負うのが館であるとなれば,どうしても堅苦しくなる。そうではなく,もっと柔らかい形で,ボランティアの方と協力していく道を考えることが大切だと思います。 (2)運営上の課題について 1親しまれる文書館のあり方について (委員) 学習会についてですが,例えば学童保育や子ども会のような,学年がバラバラで歴史を習っている子どもと習っていない子どもが混在している集団でも大丈夫でしょうか。 (事務局) ある程度の年齢巾なら対応できると思います。毎年受け入れている八万南小学校の総合学習にしても,歴史の学習はやっていない3年生です。古い写真や帳箱などでまず子どもたちの興味を引き,八万という地名が読み取れる国絵図や古文書,昭和20年代の航空写真などで自分の地域の歴史について関心を持ってもらう。その後は,施設見学やコメットの歴史クイズ・古文書クイズで楽しんでもらいました。我々にとっても非常に楽しいひとときでした。 (事務局) 参加してくれた子どもたちの何人かは,将来確実に歴史や古文書の方に興味を示すだろうと,私はこの時に確信しました。文書館としては,年齢がよく似ているとか,地域が同じであるとか,何らかの特色を持っている集団の方が対応しやすいのは確かです。 (委員) 徳島城博物館では折々に子ども対象の催し物をやっています。また,幼稚園や保育園の遠足などもよくきています。ただ,博物館と文書館では施設の性格も少し違いますしね。 (委員) 文書館は堅苦しくて子どもは入れない施設というイメージがあります。八万南小学校の総合学習の取り組みにしても,文書館だよりで紹介されていますが,これは保護者はほとんど読みません。県の広報誌などをどんどん活用して,保護者や先生方にアピールすることも必要なのではないでしょうか。 (委員) 生涯学習主事の資格取得のための実習を文書館で行うというのはどうでしょう。また,私の大学には書道のコースがありますが,例えば彼らに偽文書ではないですが,古文書もどきのようなものを作らせて,それを小学生などの教材に活用するというのはどうでしょう。 (事務局) 実習の件ですが,当館にも博物館学芸員の実習の申込はありますが,当館には学芸員がいないことと,博物館法ではなく公文書館法に基づいた施設ですので当館での実習が単位認定されない場合がある,という理由で断っています。生涯学習主事の実習受入についても,法的な問題も含めて検討する必要があると思います。 (事務局) 当館が収蔵している古い絵地図などに画像処理を施すなどして活用することはできないでしょうか。 (委員) 徳大では,いくつかの古地図・絵図を貴重資料高精細デジタルアーカイブとして附属図書館のホームページで見られるようになっています。また,古い絵図を実際の地形と同じ形で3D化して現在と比較することもやっています。 (委員) 絵図というのは子どもたちの関心を引く格好の素材だと思います。デジタル・アーカイブズなどはおもしろいと思いますが,予算的な問題などもあるので,文化の森全体で取り組んでみることも考えてみてはどうでしょう。 (事務局) 学校との連携では,現場の先生方への働きかけが大切だと思います。今年度は県教育研修センター主催の教職10年次研修を受け入れました。また,夏休みには教材探しに当館を訪れた教員グループもあります。地域資料の教材化のお手伝いなどができるという点もアピールしていきたいと考えています。 (委員) 和算が一種のブームになっているようですが,文書館に和算の資料があれば,例えば昔の算数の教科書をみてみよう,という形で学校へのアピールも可能ではないでしょうか。 (事務局) 徳島は和算が盛んだったので,資料も残っています。いろいろな教材化に適した資料のセットを作るというのも,これから検討してみたいと思います。 (事務局) 文書館の資料で,こんな活用法もあるのでは,というご提言がありましたら,これからもよろしくお願いいたします。 2市町村合併に伴う公文書の散逸防止について (委員) 公文書の保存は当然のことですが,公印なども大切な歴史資料となるのではないでしょうか。 (事務局) 合併協議会が動き出した市町村へは,当館の職員が首長や文書管理担当者に直接お会いして,なぜ資料を残さなければならないのか,どのような資料を残せば良いのかなどを説明していきたいと考えています。市町村史編纂時に収集した資料が散逸してしまわないようにという点や,その市町村にとって重要な出来事に関連した資料は確実に保存して欲しい,ということなどもお願いしたいと考えております。 (委員) 合併時に旧庁舎が支所などとして活用される場合は資料は残りやすいが,庁舎が統合される場合などは資料散逸の危険性が大きくなります。合併のパターンを見ながら,要注意のところへ特に積極的なアプローチをお願いします。 (委員) 公印も歴史資料だとは誰も思わないのではないでしょうか。公印も含めて,このようなものが保存しておくべき資料だということをアピールしておくことが必要なのではないでしょうか。また,合併した場合の公文書保存の責任はどこにあるのでしょうか。 (事務局) 基本的には新しく誕生した市や町です。 (委員) 県庁が戦災にあったこともあって県の明治・大正期の資料が少ないので,市町村の資料は重要です。市町村に保存されている布達類をサンプルとしてワンセット収集しておくというのはどうでしょうか。 (事務局) 県と市町村の資料が相互に補完しあうことによって歴史の空白を埋めるというダイナミズムが期待できます。市町村の資料でも,特に必要と思われる場合は当館で保管いたしますが,やはり現地保存が基本だと思います。 (委員) 公文書管理・保存講座とは別に,合併する市町村向けの研修会や資料保存を訴えるイベントなどを企画してはいかがでしょうか。 (会長) 今回もいろいろな話が出ましたが,文書館の方で十分に検討してください。 (事務局) 文書館協議会は年2回開催しておりますが,来年度から年1回,6月開催ということにしては,という声もでておりますが。 (会長) 文書館の方で十分に検討してください。 |
このページに関するお問い合わせ
文書館
県立文書館








