県立文書館「平成17年度 徳島県立文書館協議会」会議概要

2009年9月29日

 

平成17年度  徳島県立文書館協議会 会議概要
1 日時
 平成17年7月21日(木) 14:00〜16:00

2 会場
 徳島県立文書館2階講座室

3 参加者
 【委員】10名中 7名出席 
 平井松午会長,大石雅章副会長
赤松万里委員,阿部頼孝委員,桑原恵委員,滝よし子委員,大和武生委員

 【県教育委員会】
 生涯学習政策課文化の森振興室事務主任

4 会議次第
 1 開会
 2 会長あいさつ
 3 館長あいさつ
 4 自己紹介
 5 協議
  (1)平成16年度事業報告及び平成17年度事業計画について
  (2)運営上の課題について
  (3)その他
 6 閉会
    5 協議概要
     (1)平成16年度事業計画及び平成17年度事業報告について

    (委員)
     毎年行っている史料保存に関する講習会はどうなっていますか。
    (事務局)
     古文書保存講座は7月14・15日に開催いたしました。公文書管理・保存講座に関しましては,日程や講師を含めて現在検討中です。
    (委員)
     人形浄瑠璃の調査事業についてはどうですか。
    (事務局)
     まだ具体的な計画は建てておりません。ただ,当館の性格からしても,例えば旧家に所蔵されている台本類など,文書資料を中心に調査を進めたいと考えています。また,近世以降の芸能史を調べる以上,何らかの形で身分制の問題とクロスすることになると思いますが,その面でも踏み込むことが出来たらと考えております。
    (委員)
     博物館などとの連携は考えていないのですか。
    (事務局)
     昨年は二十一世紀館との共催でワークショップと人形浄瑠璃の実演を組み合わせた「阿波人形浄瑠璃に親しむ」という事業を行いました。今年は県立博物館・二十一世紀館との共催でふすま絵や衣装の展示と人形浄瑠璃実演を組み合わせた「人形浄瑠璃ウィーク」という事業を行います。調査事業とからめて,このような展示・普及活動も展開しております。
     また,当館は久米惣七コレクションとして写真のガラス乾板を約千点程お預かりしており,現在これの整理中ですが,その中に人形浄瑠璃に関する貴重な写真が多数含まれております。また,当館には久米コレクション以外にもかなりのガラス乾板を収蔵しております。これらを全て焼き付けた上で,一点づつ中性紙でくるみ,特注のボックスに収納するという整理作業を行っています。
    (委員)
     このような阿波人形浄瑠璃に関する調査は,再来年の国民文化祭に向けてという面もあるのですか。
    (事務局)
     はい,その側面はあります。尚,昨年の夏には徳島で全国高校総合文化祭が開催されました。この時に当館が実施した阿波人形浄瑠璃関係の事業は,全国から集まってくる高校生の徳島の文化を発信することを意図してのものでした。昨年の特別企画展「阿波人形浄瑠璃」の準備段階で,専門家の協力のもとで当館の収蔵資料の浄瑠璃本を調べたところ,『傾城阿波鳴門』の初版本が見つかったり,表紙が欠落して不明であった外題が判明するなどしました。当館の収蔵資料だけでもこのような成果があったので,この二年間の調査でいろんなものが判明してくるのではと,期待しております。
    (事務局)
     浄瑠璃の座や興行経営に関する帳簿類などがこれまで僅かしか発見されていない。この面での資料発掘に期待したい。
    (委員)
     公文書の保存問題についてですが,昨年度に資料保存のためのシンポジウムなども開催されています。その後の動きはどうなっていますか。
    (事務局)
     昨年度,木沢村役場の公文書の調査を実施しました。旧沢谷村の役場文書を中心に,昭和30年以前のもので,千点を超える公文書を確認しました。その中には,明治10年代の那賀郡役所から沢谷村宛の『達綴』や各種の兵事関係資料が含まれていました。これらの貴重な資料の保存を,口頭ですがお願いしてあります。
    (委員)
     一般に兵事関係資料は終戦とともに焼却された。どこかの県の兵事係が床下に隠していた資料が見つかって,大きな話題になりましたよね。
    (事務局)
     木沢の他にも,神山などいくつかの町村で保存されていることが確認されています。市町村の公文書保管庫を丁寧に調べれば,結構出てくるかも知れません。
    (委員)
     これらの古い公文書が大切なものであることをアピールすることも大切ですね。
    (事務局)
     現在,次の特別企画展「戦後60年のメッセージ」を準備しています。その中でこれら市町村の公文書をお借りして展示しようと思っています。例えば,神山町の公文書では戦中の配給関係,中にはゴム鞠配給関係の綴まであります。小松島市のものでは,昭和20年代に葬儀や婚礼の時の清酒特別配給関係綴。木沢では,村長が地元の神社に太平洋戦争開戦を報告し,戦勝を祈願するためにあげた祝詞などです。これらを通して,公文書は貴重な歴史資料であることをアピールしたいと考えています。
    (事務局)
     市町村公文書については,神山町や池田町などがしっかりとした保存をしております。昨年度実施したシンポジウムに関しましては徳島新聞などの地元マスコミにも大きく取り上げられており,その効果も徐々に現れてきております。最近も貞光町や三加茂町などから公文書の保存や展示方法に関する相談がありました。
    (委員)
     戦災で昭和20年以前の県の公文書の多くが焼失しています。その意味でも,市町村の公文書は徳島の近代史を研究する上で非常に貴重な資料ですね。
    (事務局)
     市町村の公文書と同じように,今年度は県立学校の資料保存にも取り組んでいます。この3月をもちまして閉校する宍喰商業,海南高校,日和佐高校につきましては,先日おうかがいして,状況をみせていただいたり,お話をさせていただいたりしました。また,数年後に東工業高校・水産高校と一本化される徳島工業高校につきましても,先日おじゃまさせていただき,明治以来の同校の公文書を当館で燻蒸と目録作成させていただいております。
    (委員)
     自分の母校へ行けば証明書なども発行してくれるし,何よりも自分がそこに在学したという“証”が残っている。それが県の都合で自分の卒業した学校が無くなる。しかも,一緒に自分がそこで学んだ“証”である資料も無くなってしまうというのは酷すぎる話ですものね。学校の統廃合が行われた場合,新しく生まれた学校がその資料を保存するものなのでしょう。その点もアピールしてください。
    (事務局)
     海部郡の3校の場合は,元校長先生のイニシアティブのもとで,かなり積極的な保存活動がすすめられております。上手くいけば,全国的に見てもモデルケースとなる取り組みですので,できるだけお手伝いしたいと考えています。
    (委員)
     以前,文書館で史料集を発行していますが,これはとても貴重な取り組みだと思います。以前発行してから少しブランクがあります。このような事業を、どんどんやっていただきたいと思います。
    (事務局)
     少しブランクが空きましたが,最近は以前とやり方を変えて,古文書を読む会の各班が自主的に史料集を発行し,文書館はそれをお手伝いするという形をとっています。昨年来,3冊の史料集が刊行され,今2冊が刊行準備中です。
    (委員)
     史料集については,印刷の他にもホームページ上での発表という形もありますので,ご参考にしてください。
    (委員)
     展示解説は今年度も実施するのですか。
    (事務局)
     実施します。
    (委員)
     展示解説の日以外でも,展示の解説などはお願いできるのでしょうか。
    (事務局)
     担当者の勤務日であれば,声を掛けていただいたら解説をさせていただきます。展示解説の時には,展示スペースの関係で展示できなかった資料をお見せしたり,関連するいろいろなお話をすることもしております。日時はポスターなどに明記してありますので,是非お越し下さい。
    (委員)
     今年は「ナトコ映画祭」を開催されるということですね。この貴重なCIE教育映画のフィルムは何本所蔵されているのですか。DVD化されたのはその内の何本ですか。
    (事務局)
     当館が所蔵しているフィルムは201本です。その内の89本がこの度NHKアーカイブスの御協力でDVD化されました。この作品の版権はGHQが持っていたもので,それが現在どうなっているのか不明瞭な点があります。NHKアーカイブスの方では米国大使館などと折衝し,著作権上大丈夫であろうと思われる89本がDVD化されました。残りも著作権の問題がクリアーされたものからDVD化するという計画もあります。これらのDVD化されたナトコフィルムは,公文書や行政資料と同じように閲覧に供したいと考えております。しかし,当館の閲覧室はDVDやビデオを視聴することを想定して作られておりません。パソコンがあれば見ることができますので,それを閲覧室に設置するなどの方法をとろうと考えております。
    (委員)
     著作権などいろいろな問題があると思いますが,DVDを文書館が活用するためにも,そのバックアップを作成しておく必要があるでしょう。
    (事務局)
     これからもNHKアーカイブスと連携しながら,いろいろなことを進めていこうと考えています。
    (委員)
     米国にとって,日本ほど占領政策が上手くいった例はない。この教育映画はその際のプロパガンダの一つの手段,米国のいわば“勝利の記録”ともいえます。その意味でも,大変貴重な資料ですね。
    (委員)
     映像資料以外の話題ですが,最近の個人情報保護の流れの中で,名簿など個人情報を含む資料の取扱が問題になっている。個人情報の入っているものは全て廃棄すべきだと誤解している向きもある。この点を踏まえて,文書館に集めるべき資料が集まらないなどということが無いようにお願いしたい。

     (2)運営上の課題について
    (委員)
     予算についてはどのようになっていますか。
    (事務局)
     当然昨年度に比べて予算は減りました。ただ,生涯学習政策課の方でも頑張っていただいたことと,元々の予算額が少ないこともあって,削減率は思ったほど高くありませんでした。しかし,今年も更なる削減を迫られることになると思います。
    (委員)
     文書館の方でも,予算要求に際して,個々の事業評価や予算要求にメリハリをつけていくことが求められていくのではないでしょうか。
    (委員)
     文書館のスタッフが多忙を極めていることは十分承知しているので言いにくいのですが,すなわち市町村や学校と連携しての巡回展や出前講座などに取り組む。外に打って出ることによって予算を獲得するというのはどうでしょうか。また,文書館には外部からのレファレンスの依頼が随分とあって,スタッフの方はその対応の多大な時間を割いているはずです。そのことを目に見える形で示して,これも事業評価の素材として提供できるような工夫をしてください。
    (委員)
     レファレンスの対応は大変だし,それを記録することも大変な労力が必要です。しかし,本来的に“赤字”が宿命づけられている文化施設では,「これだけの予算を使っているが,これだけ役に立っている」ということをアピールする必要があります。できるだけ簡単に記録できるレファレンス記録用紙を工夫するなどして,この問題をクリアーしてみてください。
    (委員)
     行政機関は市民に対してアカウンタビリティーを負っています。同じように行政の個々の部局は,自分を主管する組織に際して,自分たちはこれだけ役に立っているとうことを,根拠を明示して示す必要がありますので,今お話の点に是非取り組んでください。
    (委員)
     最近よく職員の方がマスコミに登場しています。これも文書館の存在をアピールする大切な業務だと思います。
    (事務局)
     館の性格からして,当館の資料を使ってどれだけの人が,どれだけの研究成果をあげたかを追うことができたらと思っていますが,これも全容を把握することが困難な仕事です。
    (委員)
     すばらしい仕事をしているのだから,良い意味でのプロパガンダに力をいれてください。
    (事務局)
     その点について,鋭意努力いたします。
    (委員)
     国民文化祭に対する取り組みはどうなっているのでしょうか。文化の森は会場になるのでしょうか。それ以外の取り組みは計画されていないのでしょうか。県外の友人から,徳島には良い文書館があると羨ましがられています。この機会に,阿波にしかない資料を展示するなどの取り組みをして,全国に情報発信するというのはどうでしょうか。

    (会長)
     いろいろなお話がでましたが,文書館の方で充分に検討してください。

 

このページに関するお問い合わせ

文書館 公文書係
電話番号:088-668-3700 ファクシミリ:088-668-7199