県立文書館「平成18年度 徳島県立文書館協議会」会議概要
平成18年度徳島県立文書館協議会 会議概要
1 日時
平成18年6月29日(木) 14:00〜16:00
2 会場
県立文書館2F講座室
3 参加者
【委員】10名中 8名出席
平井松午会長,大石雅章副会長
赤松万里委員,阿部頼孝委員,澤田順子委員,滝よし子委員,福家清司委員,大和武生委員
【県教育委員会】
生涯学習政策課文化の森振興室主事
4 会議次第
1 開会
2 会長あいさつ
3 館長あいさつ
4 自己紹介
5 協議
(1)平成17年度事業報告及び平成18年度事業計画について
(2)運営上の課題について
(3)その他
5 協議概要
(1) 平成17年度事業報告及び平成18年度の事業計画について
【委員】
平成17年度に比べて予算が減っているようですが。
(事務局)
当館には2名の受付案内員がいますが、
今年度から当館の受付案内員2名のうち1名分が二十一世紀館からの予算要求、
1名分が二十一世紀館の外部委託の内に含まれるというように変わりました。
前年度にくらべて一般管理運営費が400万円以上減っているのは、この2名分の
給与が無くなったためです。それ以外にも少し減額になってはいますが、実際上は
前年度に近い予算を確保することができました。
【委員】
「文書館ウィーク」というのは中国・四国地区の各文書館の連携事業ということで
よろしいですか。
(事務局)
一昨年の中国・四国地区文書館等連絡協議会の場で山口県から提案が行われ,昨年度
徳島県で開催された同連絡協議会で決定されたものです。
ちなみに、中国・四国地区の動きとしては、岡山県で岡山県立記録資料館が昨年度に
開館いたしました。計画がスタートしてから15年かかっての開館です。文書館の
世界ではここ数年暗い話が多かった中で数少ない明るい話題といえます。
【委員】
「文書館まるごと探検隊」や「文書館ウィーク」などの新しい事業に関する宣伝活動は
どのようなものでしたか。
(事務局)
とにかく文化の森の来園者を一人でも多く文書館に誘導することに取り組んでいます。
そのために特別の幟(のぼり)旗をつくりました
【委員】
文書館の存在や活動をアピールすることは大切です。例えば,県内で作られている
和紙を活用して,文書館で和綴本を作ってみる,などといった取り組みもおもしろい
のではないでしょうか。
【委員】
現在,徳島の古文書を読む会で史料集を発行していますが、次に発行する史料集を
和紙で作るというのはどうでしょうか。
【委員】
そうなると、地域振興事業との関連での予算取りも可能かもしれません。
「文書館ウィーク」で実施した「資料相談会」では,どのような相談がありましたか。
(事務局)
古文書の解読依頼や、史料集発行を企画している方の相談に応じたりでした。
レファレンス対応は当館の大切な仕事です。年間どれだけのレファレンスがあるのかに
ついての集計が必要である、というご提言を昨年度の協議会でいただきましたが、
それは現在も課題として残っております。
【委員】
「学校の宝物」に学校関係者の方はどの程度見に来ておられるのですか。
(事務局)
展示でお世話になった学校を中心に、いろいろな学校の関係者の方がお見えに
なっています。
【委員】
それぞれの学校の校外学習の一環としても活用できるでしょう。
(事務局)
今回の展示に関しては地元のマスコミも注目しており、番組内で「学校の宝物
大募集」を始めたテレビ局もあります。
【委員】
資料館・資料室があったり、その学校に資料の存在が把握されている場合は良いが、
そうでない場合が問題でしょう。
(事務局)
今回の展示を通して,それぞれの学校の関係者にさえあまり認識されていなかった
「宝物」にスポットをあてることができたことは大きな成果でした。
【委員】
学校にある「宝物」の大切さをアピールすることは重要なことです。
大切な「宝物」がいつのまにか学校から無くなっている例がたくさんあります。
(事務局)
今回、資料の保存にお困りの学校がたくさんあることがわかりました。
当館といたしましては,資料の燻蒸を行ったり、資料目録を作成したりといった形で、
それぞれの学校における資料保存のお手伝いをいたしました。
当然、小中学校等につきましても、ご要望があればお手伝いさせていただきます。
【委員】
建物の建て替えや耐震補強工事などがこれから一層進められて行くと思いますが、
その時に、どれが残すべき資料なのかわからずに、全部捨ててしまうおそれがあるの
ではないでしょうか。
(事務局)
文書館にお声をかけていただければ、いつでもご相談にのらせていただきます。
【委員】
学校には文書館が対象としているような資料の他にも様々なものがあります。
このような「学校の宝物」を守っていくためには既存の文化財保存のシステムにのせて
いくことが大切です。それぞれの「学校の宝物」について,必要なものは学校文化財と
して指定して、保存に必要な補助を県としておこなう。そのような制度を県として
整備する必要があるのではないでしょうか。
(事務局)
学校には地域のいろいろな資料が集まってくるものです。
徳島工業高校の場合は,古代の瓦や建設直後の大阪角座の写真などの貴重な資料が
残されていました。
【委員】
資料を保存するためには,どこにどのような資料があるのかの所在調査が不可欠です。
文化財課などと連携してすすめていただければありがたい。資料整理には目録作成が
不可欠だと思いますが。
(事務局)
今春閉校した日和佐・海南・宍喰商業の場合は、同窓会会長でもある元校長先生が
中心になって、資料整理と目録作成にあたり、海部高校に三校の資料室が設置される
ことになりました。これなどは一つのモデルケースとして全国的にも注目されるもの
ではないでしょうか。
【委員】
学校の場合、記念誌などの発行のおりに卒業生などからいろいろな資料が寄せられて
きます。そのような資料は多くの場合,PTAや同窓会の担当の先生が管理して
いるが、整理もされず目録も無い場合が大半です。これでは例え資料が紛失しても
わからないという危険な状況にある。資料整理・目録作成には、やはり心得のある
教員に任せなければ無理です。
【委員】
資料整理・目録作成のマニュアルやフォーマットを文書館で作成するなどの取り組みも
検討してください。
【委員】
市町村合併にともなう公文書保存の方はどうなっていますか。
(事務局)
シンポジウムの開催や旧木沢村役場の公文書整理などの取り組みをすすめてきましたが、
これからも一層の努力を進めたいと思います。
公文書につきましては,京都府と山口県の公文書が国の文化財指定を受けております。
県内でも、神山町では合併前の旧村の公文書が保存されており、先日訪問した国文学
研究資料館の研究者からも高い評価を受けています。
【委員】
旧役場が支所として利用されているうちは良いが、支所が廃止されていくこれからが
公文書保存の正念場となります。継続的な取り組みをお願いしたい。
【委員】
資料については必ず副本を作成するなどのバックアップの体制を作る事が大切では
ないでしょうか。
(事務局)
データベースについてはバックアップを取っています。最近資料をデジタル撮影
しているものもあります。このような取り組みを一層進める必要があるかと思います。
現在,アーカイブズの世界では電子文書化への対応を迫られています。電子文書と
いうのは、一瞬にして改変や消去が可能であるという問題点をはらんでいます。
【委員】
やはり紙媒体での保存が必要なのではないでしょうか。
人形浄瑠璃調査はどのように行いますか。
(事務局)
浄瑠璃本や興行に関する史料などの調査研究を行っております。
平成19年度に徳島県で開催される国民文化祭の時期に人形浄瑠璃関係の展示を行い、
全国に情報発信を行いたいと考えています。
【委員】
人形浄瑠璃に関しては,文化財課などと連携して総合的な学術調査を行う必要が
あるのではないでしょうか。また、国の予算を取って、全国的な調査を10年ぐらい
かけて行うのも良いのではないでしょうか。
【委員】
文書館資料のなかに文化財指定を受けたものはどの程度あるのでしょうか。
(事務局)
井口家文書(上月文書)の中の「南方御退治条々」という古文書が県指定文化財に
なっているだけです。
【委員】
上月文書は数量的には県下最大の中世文書群ですが、残念ながら兵庫県に関する
古文書が大半です。「南方御退治条々」は「群書類従」の底本になったと考えら
れることから指定されたのでしょう。
【委員】
最近,昭和の庶民の生活を示す資料が注目されています。
文書館が対象としている資料も文化財指定を受けても良い時代になったのでは
ないでしょうか。
(事務局)
その意味でも,先ほど御説明した神山町の公文書はきわめて貴重な価値を持って
いるといえます。神山以外にも、旧池田町や旧木沢村などにも古い公文書が
残されており、いづれも貴重な歴史資料となっております。
【委員】
徳島県の場合,県庁が空襲にあったこともあって、戦前の県の公文書が殆ど残って
おりません。その意味でも,市町村が持っている公文書は貴重なものとなりますので、
保存に力を入れていただきたい。市町村の職員を対象とする講習などはあるのでしょうか。
(事務局)
毎年実施している、県・市町村職員対象の公文書管理・保存講座がそのための講習会と
なっております。
(2)運営上の課題について
【委員】
全国的に指定管理者制度の流れが強くなっている。
その眼目のひとつはコストパフォーマンスですから,文書館のように“お金”に
あまり縁のない所は将来的に切り捨てられていく恐れが無いとはいえません。
【委員】
指定管理者制度を見越して,例えば“グッズ”を販売する,科研費を申請する
などの外部資金を導入するなどの,攻めに出ることも必要なのではないでしょうか。
(事務局)
文書館が物品を販売することは現在は規則上無理です。
これからの検討課題になると思います。
【委員】
文書館は組織上学芸員のような研究職と位置づけられている職員が配置されて
いないので、文部科学省の科学研究費補助申請などは難しいでしょう。
しかし、大学などとの共同研究は可能ではないでしょうか。
【委員】
文化の森の業務はかなりの部分が文化財行政と重なっています。
しかし、文化財行政は文化財課、文化の森は生涯学習政策課、人形浄瑠璃は文化国際課と
いうように、担当行政組織が縦割りになっている。
この“ねじれ”を何とかするのも、これからの文化の森のあり方を考える上で大切
なのではないでしょうか。
【委員】
文書館の実績を語るデーターとしては入館者数がよく挙げられています。
しかし、それ以外にも、文書館の資料を活用してこのような成果が上がったというような
具体的に数値化しにくい実績についてもアピールする必要があるでしょう。
【委員】
展示に関しては大いに成果があがっています。
しかし、文書館の本来業務である史料の閲覧面でのアピールが大切だと思います。
例えば県庁職員による公務使用とか、研究者による研究目的とか、個人のルーツ調べと
いった具合に閲覧者の閲覧目的を分類して、それを広報してはどうでしょうか。
このような活用方法もあるのだ、というアピールになります。
【委員】
県西や県南にお住まいの方はなかなか文化の森まで来ることができない。
そこで巡回展のようなものはできないでしょうか。
市町村の公民館などとの共催とするなど、形はいろいろなものが考えられると思います。
少ないスタッフと予算の中で大変だとは思いますが,新しい利用者を開拓する意味でも
是非検討してください。
(事務局)
展示に使ったパネルの貸し出しなどは少しずつ増えております。
このような面も整理して報告できるようにしていきたいと思います。
【委員】
資料やパネル類の貸出と同時に,文書館が持っているノウハウの提供なども大切なのでは
ないでしょうか。
(事務局)
現在、全国の文書館の中でも当館の入館者数はびっくりするほど多い。
これは展示に依るところが大です。当館は開館以来,年4回・3ヶ月ずつの切れ目のない
展示を行ってきました。資料を整理する中で展示のネタはいくらでも出てきます。
展示を準備する中でさらなる発見がある。その意味で、展示は当館の資料整理事業に
ひとつのリズム感を与えています。
【委員】
文書館では少し難しいかもしれませんが,体験型の講座というのはどうでしょうか。
例えば先ほど話のあった和紙を利用しての冊子作りなどは試みても良いのではないでしょうか。
【委員】
文化を残すのには金がかかるものだ。
これだけの仕事をしているのだから、これだけの経費がかかっても当然だと、県民に納得
してもらえるようなアピールが大切です。例えば,「こんなおもしろい古文書がある」と
いう風なことをネット上でわかりやすく解説するようなことはしていないのですか。
(事務局)
昨年から文書館のホームページ上に、お話のようなコーナーを設けています。
【委員】
インターネットを見ない人も多いので、そのようなことを新聞紙上などで連載するのも
良いのではないでしょうか。その時に身近な内容を取り上げていただければありがたい。
【会長】
いろいろなお話がでましたが,文書館の方で充分に検討してください。








