平成18年度 徳島県立図書館協議会(第1回) 会議概要

2009年9月29日


平成18年度第1回徳島県立図書館協議会の概要について

日 時
平成18年11月28日(火) 午後1時30分から午後3時30分まで
場 所
徳島県立図書館 集会室1
出席者
(1)委員    9名  
吉田 一彦 脇町高等学校長・徳島県学校図書館協議会会長 
池松 信介 NHK徳島放送局長・徳島県社会教育委員
鎌田  武 徳島県公民館連絡協議会会長・阿南市桑野公民館長
富田 修二 徳島県幼小中高PTA連合会連絡協議会会長
阿部 曜子 四国大学文学部助教授
小林 勝美(会 長) 阿波学会会長・徳島考古学研究グループ代表
小林 陽子 美波町社会教育委員
橋本 隆夫 徳島県読書振興協議会副会長・鳴門市読書振興協議会会長
山野 明美(副会長) 徳島県男女共同参画推進員・徳島県朗読奉仕員・点訳奉仕員


(2)県教育委員会生涯学習政策課 1名
   主事

(3)県立図書館 10名
   館長、副館長
   主幹(兼参考サービス課長)、貸出サービス課長、各担当係長6名


【内 容】

 1 開会
 2 挨拶 徳島県立図書館長 早見 憲一
 3 議題
  (1) 役員選出
  (2) 報告事項
     ・平成17年度事業実績について
     ・平成18年度予算及び事業について
     ・開館時間延長の効果について
  (3) 協議事項
     ・徳島県立図書館ステップアッププラン(案)について

 4 閉会



【報告事項】

 (1) 平成17年度事業実績について
 (2) 平成18年度予算及び事業について
    (事務局より平成17年度事業実績及び平成18年度予算及び事業について概要を説明)
 (3) 開館時間延長の効果について

(事務局)
平成17年4月1日より開始した平日の開館時間延長の効果について、昨年度の実績によると、貸出冊数及び入館者数は前年度比約1%の増で、増え方はさほど大きくはない。
 ただし、平日の入館者数は6.4%の増に対し、休日は2.4%の減で、延長した分増えたというより、土日祝日に集中していた利用者の方が平日に分散して利用していただけるようになったものと考えられる。

(委員)
 平成17年度の都道府県図書館統計によると、徳島県は100人あたりの貸出冊数が119冊とあって、全国一位であるが、この原因は、県人の読書意欲が強いと考えるのか。
また、借りられるのは一般の方が多いのか、それとも学生や児童、生徒が多いのか。

(会長)
 県教育委員会学校政策課がすすめている「読書の生活化プロジェクト」で、幼小中高の生徒の月平均が1人4.1冊と新聞にも載っていたが。

(事務局)
子どもさんも多いが、一般の方が多いと思う。

(委員)
 小中学校だけでなく、高校で「朝読」をされるところが随分増えている。

(委員)
 学校の図書館の貸出冊数の統計では、3.12冊の数値がずっと続いていたが、高校での「朝読」が広がり、それと共に学校図書館の利用状況も上向いてきている。年間貸出冊数の高等学校の県平均が5.3冊辺りではなかったか。

(会長)
 早朝に、皆が読書をするというのは果たして読書振興なのか、それとも図書の普及活動の一環かということについて、昨年度のこの会で質問したが、事務局は、図書館での読書というものは与えられるものでなく、自分から望んでするものだという回答であった。
 各学校の「朝読」と、県立図書館の図書振興や普及活動が、果たして一致するものかどうかについて考えなくてはいけない。

(委員)
 県立図書館から各市町村の図書館に貸出しがあり、また地域の小中高の各学校が、各市町村の図書館から学校で不足している本を借りることをしており、そのことから考えると、間接的には各市町村での学校の図書活動の振興に役立っていると思う。
(委員)
 市町村への協力貸出で、公民館への協力貸出が減ってきている。来館貸出も低くなっているのはなぜか。また、へき地校への貸出が少なくなっている。これはへき地校が減っていることを表しているのか。


(事務局)
 公民館等への協力貸出は、図書館がない市町村を対象としている。
 平成16年度には図書館のない自治体は22町村だったが、合併により同17年度には12町村、同18年度には5町となった。これは、対象の自治体が半減していることによるものである。

 来館貸出も、図書館のない自治体の教育委員会の方が直接、県立図書館にお見えになって本を選び、貸し出す制度であり、同じく未設置の自治体が減ったことによる。もう1点、特に来館貸出では本をまとめて大量に貸し出すが、この頃は自分で読みたい本を読む、リクエストしてその本を手に入れて読む、という傾向になりつつある。

 また、へき地校への団体貸出の対象は、図書館のない自治体の2級以上のへき地校となっているが、これも合併により、図書館の設置率が70パーセントに高まってきており、その自治体に図書館があることになったためである。子どもさんも多いが、一般の方が多いと思う。
(会長)
 県立図書館の施策として、未設置図書館へのサービス向上というのが大きく取り上げられている。普及活動や振興策としてはどうか。

(事務局)
 今年度、対象の全ての町の公民館図書室と、教育委員会にお話を伺って参った。今はどの自治体も財政的に厳しく、図書館を設置していただくという働きかけはなかなかに難しい。
 対象の町からリクエストを頂いて、宅配便で本を貸し出すというサービスや、来館貸出もあるので、このようなサービスをぜひ活用していただくようにお願いをしたが、当の教育委員会に、利用者の方のリクエストを聞いて、それを県立図書館に連絡する係をされる方がいない場合もあり、本を借りても後々の管理面等に不安があるので利用しづらいというような話もあった。今後検討していきたい。
(委員)
 年代別にはどんな方が多く借りられているのか。というのは、団塊の世代対策が今かなり言われており、定年退職後の楽しみの一つに、おそらくは読書が出てくると思う。県が打ち出した施策とも対比できる。
 貸出実績は全国でも類を見ないほどの高い順位になっているが、アピールが出来ていない。車で来ることのできる、本を読むのに素敵な環境とレベルの高い図書館がありますよという点は、文化の森全体を十分にアピールできる材料だと私は思う。
 予算が厳しいのは本当に良く解るが、これ以上予算を削らないように、他の面でもサービスの低下につながらないようにしていただきたい。それと図書館側から県へのアピールをもう少しされた方がいいと思う。県の施策の要綱を読ませていただいても、図書館という文言が全然出てこないのが残念である。

(委員)
 全く同感である。
 図書館サービスというのは、図書館に来れば自分の探している本が見つかるということがまず第一だと思う。図書館に足を運んで来て、その本が無いほど淋しいことはない。
 資料費が過去の約半分という減り方だが、文化活動のシンボルと図書館を位置付けていただけるならば期待が大きい。資料費を減らすどころか増やして頂きたいという希望を持っている。

(委員)
 私も、徳島県が100人当たりの貸出数が全国一位とは思わなかった。でも残念ながら、この中に大学生はあまり入ってないのではないかという気がする。
 学生がすぐに飛びつくのはインターネットであり、表面の知識だけで、どこからか持ってきた意見を自分の意見のようにして言う場合が多い。インターネットはその入口であって、どういう文献があるかを調べたら、図書館へ行き実際に本を読むということを指導していかないとと思う。図書館を知るという資料検索初級講座があったようだが、また大学との連携もお願いしたい。

(会長)
 取り上げるべき問題として、今日の新聞にも、県が団塊世代の県内への定住について企業振興策を出していたが、文化事業についても2007年問題の一つとして協議に入れていただきたい。
 それから図書館の利用者へのアンケート調査を数年ごとにしていただきたい。
 あと、去年の協議会で、その図書館を知ってもらうために、図書館はこんなサービスをしている、あるいは書庫も見ていただいて振興策を取ってくださいという話があったが。


(事務局)
 資料検索講座と併せて書庫の見学ツアーを今年の7月に行い、非常に好評だったが、残念ながら参加人数は少なかった。資料検索コーナーの普及については書庫の見学も含め、来年度も前向きに担当と協議したい。





【協議事項】
 (「徳島県立図書館ステップアッププラン(案)」について事務局から説明。)

(会長)
 このプランはいつから導入する予定か。

(事務局)
策定次第実施したい。今年度からでも取り掛れるものは掛かりたい。
(会長)
 はじめに、社会の変化に対応できるものというのを疑問視する。
 また、プランには中長期的な展望が必要である。

(委員)
 なかなかよく出来たプランだと思うが、メディアリテラシーに関して、図書館はどういう位置付けになっていくのかということをぜひ織り込んで欲しい。この情報洪水の時代に、情報に流されない見識をきちんと持つというのがメディアリテラシーだと理解している。当然それはメディア側も理解し、情報提供もしていかなければいけない、学校教育でも取り入れなければいけないと思うが、メディアの洪水に流されないいちばんのものは、その人の持っている見識であり、その見識を養うのは読書だと思う。
 テレビ・ラジオを作るには、必ず台本が要る。これは日本語で書かれ、その台本をスタッフや出演者が共有して初めて番組が出来るわけで、その人の取材力と見識、日本語力が問われる。簡潔で分かり易く、しかも内容のある文章を台本にしないと良い番組ができない。若い人たちの国語力・読書力が非常に落ちていると私も感じている。  
 情報洪水化に追いつかなければならないという姿勢は分かるが、それはそれとして、誤情報や、曖昧な情報、悪い情報がどんどん溢れ出てくる中で、図書館は大地に足をつけメディアリテラシーの拠点になるという気概や精神が、長期的には盛り込まれてしかるべきと思う。

(事務局)
我々も十分に踏まえてまいりたいが、どんな情報であれ、最終的には御自分で判断していただくということになると考えられる。
(会長)
 かつて県立図書館に、ある新聞記者がノートパソコンを持ってきて、コンセントに差し込もうとしたら、当図書館では利用出来ませんと言われたとコラムにあった。このことについて今後どう対応するのか。そういう部屋を設けることはできないか。

(事務局)
 バッテリーを自前で用意されていればどうぞと言っている。
 OAルームについては、他県で設けているところもあるが、電源等いろいろな問題がある。幾ばくかの電気代を使うことについて、県民に共通した理解をいただけるなら、これから詰めていかなければいけない。
(委員)
 情報化について詳しく書かれているが今の状況はどうか。例えば、図書等の目録は家庭のパソコンから見えるのか。またホームページの状況はどうか。

(事務局)
 現在、ホームページは文化の森全体としても公開されており、コンテンツとしては県立図書館の所蔵検索、これは携帯の画面から検索できるような形でも提供している。それから市町村でインターネットに検索システムを公開している図書館や数県を含めて検索できる横断検索、それと阿波国文庫など所蔵資料の紹介もある。
 レファレンスに関しては、メールでも質問や御意見を受け付けるようにしている。
 商用データベースについては、今は館内での利用という形になるが、今後は館内用の利用者端末から提供できるような形を考えているところである。

(会長)
 学校教育でも、情報化社会への対応について取り入れており、生徒が社会に出るとますます利用されると思う。対応できる図書館としての在り方もお考えいただきたい。
(委員)
 レファレンスの具体例を教えていただきたい。
 また、レファレンス共同データベース事業とは何か。

(事務局)
 今までは、レファレンスでは本を探すとか、ある情報がどの本に入っているかを探すというのが主な仕事だったが、現在ではインターネットを使って御自分で調べられた事を、この資料を見たいとか、複写して入手したいがどうすればいいかというような質問が増えてきて、私どもも本を使うだけではちょっと追いつかない。
 そこで、検索する手段としては、本・参考図書とCD-ROMと有料のデータベース、この3つを組み合わせて検索レファレンスをしている。またインターネットのフリー検索で手がかりを得て探すなど、いろいろな手段を組み合わせないとなかなか目的を達することができないような状態である。

 レファレンス共同データベースについては、手間がかかる難しい質問などは記録表にして、各県立図書館クラスの事例を国会図書館のデータベースに登録し、検索の手段などを共同で活用するものであり、当館も参加協力している。
(委員)
 掲げておられる重点目標について、プランや事業を提示はできるが、何年か後にどれだけそれが実現できたかということになるとなかなか難しい。各市町村図書館との連携も考える中で、戦略や取り組み方について、一つずつ積み上げることが可能かどうかということを、会合を重ねることによって良い知恵と力が終結できるのではないかと思う。その点の御配慮もお願いできたらと考えている。

(会長)
 私も常日頃思っているが、やはり図書館が全県でどのような図書のニーズがあるかを把握し、地域住民の意識調査を積み重ねていくことが重要であり、それが5年後、10年後に図書館業務の中に反映されてくると思う。

(事務局)
 貴重な御意見をいただき、担当が力を合わせながら、実現できるところはどうにかしてと考えているのだが、財政が大変厳しい状況であり、県全体の予算関係等からすれば、文化というものは、たちまち県民の生命に影響するのか、緊急性があるのかと詰められるとなかなか説明がしにくいところがある。
 しかしながら、図書館は、教育機関としても文化施設にしても必要な施設であるというのは間違いない事実で、努力をして次年度の予算確保をしていきたい。委員の皆様の御協力をお願いできたらと思う。
(会長)
 財政の厳しい状況は分かるが、我々が協議をしている話は中長期的な話であり、文化行政を育てていく中心として、生涯学習政策課には頑張っていただきたい。

(委員)
 図書館の活性化は、経済効果を生むこということも覚えておいてほしい。

(事務局)
 徳島県のPRの一つの材料として打ち出していくという御提言についても、団塊の世代対策は全庁的に取り組んでいるので、担当部局と調整を図ってまいりたい。
(委員)
 公民館的な発想から言うと、評論家的な御意見も大事だが、実際に地域でどのように関わるかということが非常に大事だと思う。地元でどう行動できるかというのもお互いに考え、私自身も努めたい。
(委員)
 県立図書館と高等学校の図書活動について、図書委員研修会の実施には県立図書館の絶大なる御支援と御指導を頂いている。引き続きよろしくお願いしたい。


(会長)県立図書館は、文化の拠点の中心地であり、県民の豊かな生活をするための
    大きな知的施設である。
    それぞれ図書館の職員に、県民一人ひとりへのサービス向上のために努力を
    していただくことをお願いして、本年度の図書館協議会をこれで終わりた







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