平成19年度 徳島県立図書館協議会 会議概要

2009年9月29日


平成19年度第1回徳島県立図書館協議会の概要について

日 時
平成19年11月20日(火) 午後1時30分から午後3時30分まで
場 所
徳島県立図書館 集会室1
出席者
(1)委員  7名  
 鎌田  武 徳島県公民館連絡協議会会長・阿南市桑野公民館長
 森本 玲子 徳島県幼小中高PTA連合会連絡協議会副会長
 阿部 曜子 四国大学文学部准教授
 小林 勝美(会 長) 阿波学会会長・徳島考古学研究グループ代表
 皆川 直凡 鳴門教育大学学校教育学部准教授
 橋本 隆夫 徳島県読書振興協議会副会長・鳴門市読書振興協議会会長
 山野 明美(副会長) 徳島県男女共同参画推進員・徳島県朗読奉仕員・点訳奉仕員

(2)県教育委員会生涯学習政策課 1名(主事)

(3)県立図書館 10名
   館長、副館長
   主幹(兼参考サービス課長)、貸出サービス課長、各担当係長6名

(4)県立二十一世紀館 1名(主事)


【内 容】

 1 開会
 2 挨拶
    徳島県立図書館協議会長 小林 勝美
    徳島県立図書館長    桑村  誠
 3 議題
   (1)報告事項
     ・平成18年度事業実績について
     ・平成19年度予算及び事業について
     ・徳島県立図書館サービス向上目標について
   (2)協議事項
     ・資料費削減に伴う資料収集について 

 4 閉会



【報告事項】
 (1) 平成18年度事業実績について
 (2) 平成19年度予算及び事業について
 (事務局より平成18年度事業実績及び平成19年度予算及び事業について概要を説明。)

  <平成18年度実績について>
(会長)
ご説明いただいたことについて、何点か確認したい。

・現有図書資料数が、対前年度3万1千冊の増となっている。予算削減の中、かなり努力しているのだろうが、どこで節約してどこで増やしたのか。
・利用登録者数について、新規は減となっており、また、抹消者という項目もある。これらの定義について教えていただきたい。また、こうした登録者というのは、「友の会」的な形に進化させていくような考えはないのか。
・貸出冊数について、個人・団体貸出についてはそう変わらないが、市町村への協力貸出が大きく減っている。これには合併により図書館未設置町村が大幅減となったためと考えてよいか。また、図書館未設置自治体への今後の振興策はどうか。
・レファレンス件数については、前年度の倍となっている。特に簡易質問件数の伸びが目立つ。この簡易質問というのはどういうものを指すのか。
(事務局)
・「蔵書、現有図書資料数の増加について」
 予算が厳しく新規購入数が減っているのは事実である。累積として蔵書数が増加しているのは、除籍を控えたためであろう。


・「利用登録者について」
新規というのは、新しく登録をされる方で、おおよそ1日20〜25人程度である。新規登録者の減は、県人口の減少の影響もあるのではないか。抹消については、二重登録の訂正や、再度登録される方の処理時などに発生する。

 「友の会」については検討・研究してみる。私感だが、図書館は利用者が多数であり、ターゲットがある程度絞り込まれている博物館などと違って、対応が難しいのではないか。


・「貸出冊数について」
個人貸出冊数や入館者数が、18年度に減少に転じたことについて、我々は重大に受け止めている。

 協力貸出とは、未設置町からリクエストを受けて各教育委員会に宅配するシステムである。来館貸出とは、未設置自治体から本館においでいただいて、貸し出すシステムである。

 増減についてだが、16年度から17年度については、よく協力貸出を利用されていた旧鴨島町が合併し、吉野川市となったことが大きい。18年度の減は協力貸出から来館貸出が主となったことと、また、合併した市町村では、各市町村内での図書館のネットワークが構築されつつあるので、県立からそちらへシフトしているということもある。


・「未設置自治体への振興策について」
該当の教育委員会に対して、図書館設置の働きかけは常に致している。なにぶん各町も財政的に厳しく、直ちに色よい返事がいただける状況にはないが、県下全市町村での図書館設置を目指して鋭意取り組んでいるところである。それぞれの町で読書活動が不活発というのはなく、図書館を造る機会を逸した感がある。

・「レファレンスについて」
簡易質問とは「この本ありますか?」「貸出中ですか?」といった資料に関する簡単な質問である。簡易質問の件数が倍になった要因だが、従来は参考カウンターのみでカウントしていたのを、他館の事例を参考にし、貸出・児童を含む全カウンターで件数をカウントするようになったということが大きい。
(委員)
・レファレンスについてだが、本の検索の方法を教えてくれたり、その本が無い場合、大学図書館などを案内いただけるのか。あるいは国立国会図書館から取り寄せてくれたり、そういうコーナーは別に設けられているのか。
(事務局)
参考コーナーにおいて、おっしゃられたサービスを行っている。
(委員)
・なるほど知らなかった。もっとそういうサービスもPRした方が良いのではないか。

(委員)
・事務局から、経費の減少が来館者や貸出利用者の減少につながっているのではないかという説明があったが、一概にそれだけが原因ではないのではないか。この図書館だけに関したことではなく、私の周囲の学生を見ても、図書館離れ、文字離れといった全体的な傾向がある。昨年度の協議会でメディア・リテラシーの中枢となっていただきたいといった意見があったが、長期的展望として考えていただきたい。
・また、ネット古書店の浸透が、図書館利用に取って代わられているところがあるのではないか。極端な場合10円で買える古本もあり、数百円の送料込みでも、図書館まで足を運ぶ時間や交通費等を考えれば、そちらの方が早いかもしれない。そうした世の中の動きも、利用者減少の背景として考える必要があると思う。
・大学との連携についてもお願いしたい。図書館の利用の仕方を知らない学生も多い。いま、図書館でも資料検索講座を開講されているところだが、こうした行事について大学にもお知らせいただいて、大学側でも実地体験、図書館ツアーのような形で取り込んでいければ、学生を中心とした若者の図書館の利用も変わってくるのではないか。図書館の1日平均の来館者数の統計があるが、年齢構成も知りたいところである。



<19年度事業計画について>
(委員)
・「サービス向上目標」の中で「ビジネス支援」との話があったが、どのようなものか。また、県立図書館としてはどのように考えられているのか。
(事務局)
・図書館がたいへん苦しい状況にあり、従来のままではいけないのではないかということで、既存の図書館利用者層のみならず、ビジネス関係者に特化したサービスを行って、図書館の利用価値をPRするといった全国的な流れがある。
・ただ、徳島県内においては、地域中小企業支援センターや工業技術センターなどの専門機関があり、これらとどう異なることをするのかなどを詰めなければならない。
(事務局)
・先の地域中小企業支援センターなどが入居する経済センターは、経済三団体等の経営支援機関が入居し、そこに資料もあるし、人的ノウハウも蓄積している。
・図書館がビジネスサポートを進めても、それら以上のサービスができるかどうか。たまたま商工業の例があがっているが、農水等でも同じことはいえる。
 
(委員)
・図書館のビジネス支援についてテレビで見たが、ビジネスマンが文献を調べたい時に図書館に行き、手取り足取り教えてもらうといった映像が流れていた。そういうレファレンスの専門家を図書館がいかに育成しているかを問われているように思う。私もレファレンスでこちらにお世話になり、本当によかったという経験をした。
・蔵書数に関わらず、利用者数を増やすということに限った提案をすると、図書館をもっと深く知るために、いろいろなテーマで講座を定期的に開講し、図書館に足を運んでもらうよう進められないか。
・また、ボランティアによる「おはなし会」が開かれているが、夏休み・冬休みは毎日開催ということも検討してはどうか。図書館に行けば、いつでも読み聞かせをやっているということで親子連れも多く訪れるのではないか。それと、この会議室は、読書に関する会であれば一般の方も無料で借りられる。無料というのはありがたいことではあるが、もし可能であれば、料金を徴収し、用途も拡大して使えるよう検討してみてはどうだろうか。
(事務局)
間違いがあるかもしれないが、図書館法上「利用は無料」という制約があり、会議室は図書館施設という前提であれば、ご提言の件は難しいのではないかという私感である。ただ、二十一世紀館は有料の貸出施設を持っており、この一角を二十一世紀館の施設と位置づけることを考えていけば、無理ではなくなるのかもしれない。

(会長)
・会議室等の利用については、他の館もそうだが、図書館が直営で行う事業を優先すべきであり、運営面での責任体制についても、貸出をオープンにしていくのはなかなか難しいことではないか。ただ、文化の森全体を所管する生涯学習政策課や、二十一世紀館等においては検討してみていただきたい。

(委員)
・公民館館長の立場から発言すると、目的外使用の場合は、有料という枠組みになるだろうが、図書館法に基づいて設置した施設をコミュニティセンター的に提供するのは、業務運営上も不向きではないだろうか。公民館も地域の活性化や文化振興については無料としているところだが、調整が難しい面もある。財政が厳しい折りの収入確保という趣旨は分かるが。

(会長)
・「おはなし会」の参加者数だが、平日開催は15人、日曜日のボランティアによる開催は30人程度である。これは図書館としては妥当なところか。
(事務局)
・おはなしの部屋のスペースとしては、このぐらいの人数が適正だと考えている。
・また、肉声で伝わる範囲が望ましいということもある。昔はロウソクの火のもとで話したように、おはなしというのは子どもたちが集中しやすい雰囲気づくりが大切である。窓があって明るい広い所では、気が散漫となり、あまり適切ではないと思う。




<「徳島県立図書館サービス向上目標」について>
(会長)
図書館としては、ビジネス方面に手を出すよりも、古くて新しい読書振興の活性化を推し進めるべきではないか。郷土の人物や事象に関する読書会や書籍紹介、奨励を考えてはどうか。
(事務局)
・先ほどおっしゃられたように、あらゆる分野に通じて、必要な情報を最短距離で提供できるレファレンスのプロがたくさんいるというのが望ましい。ただ、ビジネス支援にしても、結局は、経営支援等を所管している部局や、この人に聞けばというキーパーソンに行き着くことになると思う。
(事務局)
・ビジネス支援については、図書館界の全国的な流れとして、実地視察もしてきたが、その実態はさほど具体的な取り組みとはなっていないと個人的には思う。
・「ビジネス」という看板がマスコミ受けするのは事実ではあるが、慎重にやるべきであろう。

(会長)
・この「サービス向上目標」を県民にどう知らせるのか。パンフレットの作成計画はあるか。
・また、昨年度の協議会に示された「ステップアッププラン」から、県民の声を踏まえて仕上がったとのことだが、そうした声はどこに反映されているのか。県民に図書館のイメージアップを図るという意味でも、PRについてお考えいただきたい。
(事務局)
・「サービス向上目標」についてはホームページ等で周知させていただいている。また、寄せられたご意見については、一定期間ホームページで公開していたところである。





【協議事項】
 「資料削減に伴う資料収集について」

(事務局説明)
・総出版物を出版点数×平均単価とすると、本図書館の総出版物に占める資料購入予算の割合としては、平成12年度は54.2%だったのが、19年度には16.9%となっている。
・平成18年度の都道府県立図書館統計について、人口100人あたりの個人貸出冊数は、徳島県立が1位である。北海道立、東京都立、兵庫県立などが極端に低いのは、管内市町村立図書館へのバックアップに特化した「第二線図書館」であることに帰している。
・市町村立図書館からのリクエスト図書については、予算削減を受けて、出版から1年未満かつ2,500円以下の書籍は、各市町村にて購入されるようお願いしている。
・個人からのリクエストについては、新規購入は1人あたり5冊までといった制限をお願いしており、利用者にご不便をおかけしている状態である。

(会長)
・貸出利用者数自体は大きく減ってはいない。読書欲のある人は、やはり積極的に図書館を活用しているのではないか。行政サイドからすれば、無い袖は振れないということだろうが、予算削減を越えて図書館振興をしていただきたい。
・また、財政難もあって、図書館でも指定管理者導入の動きが出ているが、図書館の運営者が民間なりNPOとなった場合の対応はどのようになるか。貸し出した書籍の紛失や損傷についての補償が担保できるのか。
(事務局)
・指定管理者についてはすでに阿波市が、来年度からは徳島市も導入されるが、従来と同じ形で協力貸出を行っている。書籍の紛失や損傷については買って返してもらうということになるが、法的なものはなく、信頼関係においてである。

(委員)
・子どもの頃からの読書の在り方は重要と考える。ブックスタートや読み聞かせなどの読書啓発の手法があるが、幼稚園への巡回車運行を検討いただけないか。図書館がもっと近くに来ていただけたらと思う。
(事務局)
・県立図書館は、協力車を運行しており、各市町村立図書館に貸出をしている。市町村がその地域をカバーすることとなっており、巡回車については管轄の市町村立図書館の対応となる。

(委員)
・紛失時等の対応だが、広島県立を視察した際、先方の館長が「公金を投じて購入した図書なので、訴えてでも対応するといった気構えを持たなければならない。」ということを述べられていたのが印象に残っている。
・また、個人のリクエスト図書は、値段にかかわらず買っていただけるのか。
(事務局)
 購入できる場合は購入する。あるいは他県の図書館や国立国会図書館から借り受ける。


(委員)
・「文化立県とくしま」を担う基盤施設として、現在の予算状況から更なる削減とならないよう、県民の声を集約し、働きかけていってもらいたい。私たちも協力できるところは協力したい。
(委員)
・大学においても、図書館活用の啓蒙活動を継続的に行っているが、県立図書館のご協力をいただければありがたい。
(委員)
・経費削減の中で、県立図書館は統計的には全国上位のレベルを維持しており、職員が努力されていると思う。図書館活動は、職員の姿勢による部分が大きい。那賀川図書館など非常に優秀な取り組みをされている。県民としては職員の取り組みを応援したい。
・また、保育所や幼稚園等における読み聞かせ活動は、各地域で進められているところだが、方向性など悩みながらなさっていたり、勉強したいという意欲のあるグループの方も多い。そうしたリーダーの研修会を行ってはどうだろうか。
(事務局)
 読み聞かせに関する研修会も開催はしているのだが、全県民に知らせるのが難しい。各市町村立図書館などを通じてご周知いただいているところである。


(委員)
 講演会のチラシもいただいているが、こういう案内等についても、図書館関係のみではなく、フレア、アスティのような多数の来客がある県立施設にも設置してはどうか。
(事務局)
広報やお知らせについて、図書館のホームページには掲載している。ホームページは手軽で安上がりな広報媒体であるが、ホームページを開けない方にどう知らせるかというのはなかなか難しい。
 

(会長)
・それでは、皆さまからおおよそ意見を出していただいたので、図書館を始めとする文化の森を所管する生涯学習政策課から、感想やご意見など一言いただきたい。
・また、総務事務一元化で、図書館職員から二十一世紀館職員として図書館事務に携わるようになったことについて、外から見える図書館について感じることはあるか。

(生涯学習政策課)
・何ぶん県全体の財政状況がたいへん厳しい状況であるが、皆さまからいただいた貴重なご提言にはすぐ取り組めるようなこともあるので、そうしたものは図書館の職員と生涯学習政策課とで協力していきながら進めていきたい。

(二十一世紀館)
・文化の森五館の共通的な経費等々で、互いに協力して効率的に進められる部分があれば思うところはある。


(会長)
 それでは最後に。
 人員削減、給与削減といった厳しい時期になりつつあるが、「県民のためにどうサービスができるか」がどん底の時代にひとつの光を放つと思うので、職員一人ひとりが頑張っていただいて、よりよい図書館となることをお願いして協議会を終わりたい。



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