平成20年度 徳島県立図書館協議会 会議概要(平成21年2月18日開催) 

2009年9月30日


 

平成20年度徳島県立図書館協議会の概要について

 
 
日 時  平成21年2月18日(水) 午後1時30分〜午後3時30分
場 所  徳島市八万町向寺山 徳島県立図書館 集会室1
     
出席者
(1)委員   10名中8名出席  
      佐藤 恵子     徳島県立鴨島養護学校校長・徳島県学校図書館協議会副会長
       大塚 幸雄     NHK徳島放送局長・徳島県社会教育委員

      井上 泰男      徳島県公共図書館協議会理事・吉野川市立山川図書館長
      山野 明美(副会長)個人塾経営者・産業カウンセラー・キャリアコンサルタント・心理相談員
      阿部 曜子     四国大学文学部教授

      小林 勝美(会 長)阿波学会会長・徳島考古学研究グループ代表

      小林 陽子     美波町社会教育委員
      橋本 隆夫     徳島県読書振興協議会会長・鳴門市読書振興協議会会長


(2)県教育委員会文化の森室  2名(室長、事務主任) 
(3)県立図書館          10名(館長、副館長、参考サービス課長、貸出サービス課長、
                        各担当係長
(4)県立二十一世紀館       1名(事務主任)
 
内 容
  1 開会
  2 挨拶
     徳島県立図書館長    上野 秀樹
  3 議題
    (1) 役員選出
会長・副会長挨拶
    (2) 報告事項
        ・平成19年度、平成20年度事業実績について     
        ・平成21年度予算及び事業について
    (3) 協議事項
        ・学校図書館への協力貸出の実施について
      ・とくしまネットワーク図書館構築事業について
    (4) その他
4 閉会
 
 
【報告事項】 
 (1) 平成19年度、平成20年度事業実績について 
    (事務局より説明。)
 
(会長)
・展示事業について、昨年、3月31日付け徳島新聞で、平成20年度の「文化の森の展示企画」の決定が報道されたが、

図書館の事業は1つもなかった。これを見ながら図書館協議会委員として、どうなっているのかという疑問を持った。
 しかし、報告では様々な行事が年間通じて行われている。今年もこうした報道がされると思うが、この点について説明を

お願いしたい。
 
(事務局)
・図書館の企画展示は、今年度中に、すべての来年度のスケジュールを立てるのは難しい。毎年、時期を決めて行うもの

もあるが、それ以外は、時期、時期の旬の話題に沿うように、企画展示を行うこととしている。
・今年は、当館としては初めて、他県図書館との連携事業を実施した。広報については、できる限り分かりやすく、費用の

掛からない方法で工夫をしたい。年間計画を前もって早い時期にというのは困難だが、新聞等により、その都度、適宜適

切な方法で必要な広報を行うこととしたい。
・当館では企画展の位置付けが他の館とは違っている。博物館、美術館は、いわば、展示がメインの業務であるが、図書

館はそうではない。いわば、小回りのきく事業を行っているため、年間計画を立てるのにそぐわない。
 
(副会長)
・資料には、10のテーマの展示があるが、今後、課題解決型のものを検討してはいかがか。
 たとえば、高齢者を対象として、健康、税金について。また、新たに開始する裁判員制度や法律に関すること、インフォー

ムドコンセントなどはどうか。
 私は、再就職支援活動もしているが、そういったビジネス分野などの支援についても、テーマに沿った展示を考えていた

ければ、県民のニーズに沿うと思われる。
 
(事務局)
・昨年、看護協会からの提案により「まちの保健室」を、月2回実施している。そのような時には、関連して、健康に関する書

籍を展示したり、また、環境問題に関する展示の時には、その関連の書籍をまとめて見やすいように展示している。そうした

ことは、これまでも行っており、今後も旬の話題にあわせた展示を行いたい。
・平成21年度は、放送大学の協力により講演会を開催すると同時に、関連資料等の展示を行うことなどを考えている。4月

からは裁判員制度に関するものを、企画することとしている。
 
(委員)
・「まちの保健室」については、新聞を見て感心した。たとえば、医師に説明できないようなことを、図書館でどのような資料を

読めばいいか、研究をすればいいかといった、ビジネスシーン的な発展の可能性はあるか。
 
(事務局)
 医学、病気等に関する質問は増えてきている。初めて聞くような病気に関する相談もある。
 
(委員)
・鳥取県との交流はユニークでおもしろい。交流に関しては、博物館、美術館、文書館が先に企画ができているのであれば、

図書館は、それに関連した展示を計画するといった、文化の森の中での交流も検討してはいかがか。
 
(事務局)
・現在行っている文化の森5館共催の事業は、人権啓発展くらいである。
 平成22年度からは開館20周年記念事業もあるので、5館協働しての事業に是非取り組んでまいりたい。
 
(委員)
・現在、ターシャテューダ展を文学書道館で開催しているが、例えば、その会場に「図書館にはこんなターニャの本があります。」

といった案内を置く、というような連携をしてはどうか。
 
(事務局)
・ご提案を踏まえ、連携方法を検討してまいりたい。
 
(会長)
・中長期的な文化の展望を持った展示活動というのは、インパクトがある。
 企画展示には、2,3ヶ月くらいの期間のものの年間計画をたてて、その間に特別の展示をやるという方向もある。
 「これをやる」といった展示は、毎年決めておき、その時期に展開していく。そういった展望もいるのではないか。
 図書館のプロの司書の方に、奮起をお願いしたい。
 
(事務局)
・当館としても、展示が本来業務ではないとはいっても、おろそかに考えているわけではない。
 
(委員)
・本県は、資料費予算が全国40位(平成20年度予算)であるのにかかわらず、100人当たり貸出数が全国1位であるという

ことに驚き、職員の方々に感謝している。
 鳥取県立図書館は、「全国一」の図書館といわれているが、どういう部分がそういわれているか、徳島がこれを超えられるよ

うな材料はないのか、交流を通じて、分かっていることがあれば教えていただきたい。
 
(事務局)
・資料をみると、来館者数、貸出者数とも、(全国と比較し)多いというのが、本県図書館の特色である。
 鳥取県は、確かに高い評価を受けているが、展示事業の折に意見交換をしたところ、課題解決型の運営をしている。また、

県内のネットワーク、大学図書館との連携がスムーズに行われている。
 こうしたことから、来館者数、貸出者数とも本県より少ないにもかかわらず、高い評価を受けていると推測している。
 図書費が減っていることに関しては、鳥取県(の予算額)は飛び抜けているが、同規模の県としては、後はよく似ており、徳島

の予算は減ってはいるが、極端に低いわけではない。
 今後、予算が元に戻ることは考えにくく、こうした状況の中で、いかに魅力ある図書館作りをするか、また他館との連携、他団

体との協働などをどう取り入れるかを考えてまいりたい。
 
(会長)
・文化講演会について、昨年度は山本一力氏を招き、盛況であった。一昨年度は竹宮氏など、著名作家による講演会が開催さ

れていたが、本年度の説明の中に講演会はないようである。
 
(事務局)
・平成20年度は、講演会等に関する予算上の制約から、開催が不可能となった。
 
(委員)
・2008年に「2010年を国民読書年とする。」という国会決議がなされている。
 これに関して、国などに何らかの予算措置を要望することはできないか。
 
(事務局)
・図書館法に定められた資料の提供すら、国はできていない。国会決議はされても、財源の裏打ちがなければ難しい。こう一般

財源が減少しては無理である。
 経費のかかる方の講演会は開催できない。その代わりに、いかにニーズに合った情報を提供するか、県内の人材を活用する

等により、運営してまいりたい。
 
(会長)
・文化講演会の経費カットについては、公共の施設では難しい問題であるのは分かるが、県民が作家と直接触れる場を持つとい

うのは、夢のある図書館運営の一つである。
 昨年度の講演会でも、作家の作品を読んでから、作家に質問をしている方もいた。講演会があれば、その作家の作品を読む、

自分の内面を高めることになり、職員の意識の高揚にもつながる。夢ある図書館の発進としてはまずいのではないか。
・県教育委員会では、読書の生活化プログラムという施策をやっているが、それが図書館の事業としてのっていない。
 
(2) 平成21年度予算(案)及び事業計画について
  (事務局より平成21年度予算(案)及び事業計画について概要を説明。)
   以下主要事業計画
    放送大学との連携・協力
    まちの保健室
    ボランティア
    県民スポンサー事業として県民図書館応援事業
    図書館探検ツアー
     その他 文化の森各館との協働による人権啓発展
         平成22年度 文化の森開館20周年記念事業
(副会長)
・図書館探検ツアーについて、書庫の見学が好評であるとの話も出たが、一般への広報が問題とのことである。関係委員にはPR

をお願いしたい。
 
(委員)
・私としては、初めて聞いた。開催についての情報提供をいただければ、広報する。
 
(事務局)
・(担当より詳細説明)3月25日、ちょうど春休み初日であるが、小学校の中学年から中学生までを対象としている。
 内容は、ブックトークの後、館内、書庫の探検をする。日頃入れない所を見てもらい、これを機会に図書館を知ってもらいたいと

えている。
 
(委員)
・私はオペラを主催しているが、バックステージツアーは、いつもやっており、すごく好評である。30人の定員で募集したところ、そ

5倍程度の申し込みがあった。
 前もっての広報が難しかったら、月に1回のように、定期的に行うと決めておけば、広報は簡単である。単発での告知、広報は難

いと思うが、決めておくとうまくいく。
 
(会長)
・平成21年度の事業計画については、すでに予算もおおかた決まり、動き出しているものもあるので、口頭説明だけでなく、資料に

せていただいて協議したい。予算だけ示されるというのは、協議の進め方としてはいかがか。
 
 
【協議事項】 
(1)学校図書館への協力貸出の実施について
(2)とくしまネットワーク図書館構築事業について
  (事務局より概要説明)
 
(委員) 
・学校図書館との連携について、学校代表委員としては、生徒がいろんな本を手に入れるいい機会が増えると考えている。物流の問

はあると思うが、事業実施に期待している。
 
(委員) 
・学校図書館について、サービスとしてはよいと思う。ただ、現場の立場からは、極力手間のかからないように、たとえば、預かるだけ、

渡すだけというような簡易な形を要望する。
 
(事務局)
・協力貸出については、予算なしでスタートした事業である。職員の対応と市町村の協力、学校側のご理解がないとやっていけない。

ず19校を対象に試行を開始したが、どれだけ賛同していただけるか、配本がどれだけのボリュームになるのか、まだ未知数である。

月の本格実施に向けて、各位の理解をいただきながら進めてまいりたい。
 事業に対してニーズがあり、評価をいただければ、財政当局の理解もいただけるのではないか。何とか事業を軌道に乗せていき、

校側には負担軽減の努力をしてまいりたいので、引き続き、関係者の方々には、ご理解、ご協力をお願いしたい。
 
(委員) 
・インターネット予約システムについて、自分の貸出状況を調べることはできるか。
 
(事務局)
・貸出状況、予約状況も閲覧できる。
 
(会長) 
・学校図書館貸出については、県立学校に限っている。県立校は図書館と司書の人事交流もあり、連携がスムーズと思う。
 小中学校も対象にすべきではないか。中学生はインターネット教育も進んでいる。図書館と小中学校との連携はどうなっているのか。
 
(事務局)
・小中学校図書館は、一義的には市町村図書館との連携を図るべきであり、直接、県立図書館が取り組んでいく予定はない。
 
(会長) 
・小中学校には、司書教諭も幅広く採用し、赴任させている。考慮していただきたい。
市町村立図書館との交流に関しては、公共図書館協議会の開催自体も危ぶまれている、との報道もされているが、平成21年度の

開催は大丈夫か。
 
(事務局)
・来年度の「公共図書館協議会」、「読書振興協議会」については、予算措置もあり、おおむね、今年度並みの事業展開が可能となっ

ている。
 
(委員) 
・読書振興協議会は昨年度の予算要求時には、いったん(市町村負担分が)「0」裁定となり、再度、町村会にお願いにいって、今

の額がいただけた。それに大会開催時には、会費を徴収し運営できた。来年度も今年度並みはいただけるとのことで、会費を

とって、参加人数が多く来ていただければ何とか開催できそうであるが、先のことは分からない。
 
(会長) 
・学校図書館との連携に関し、図書館と小中学校の連携について、現在、過疎・少子化により、学校の統廃合が進んでいるが、そ

ういう小中学校、高校も含め、昔から地域に根付いた学校は、明治からの図書を持っている可能性がある。廃校になったら、ほと

んどが焼却されてしまう。協力貸出という業務の中でもう一つの視点として、こういう蔵書の調査研究をしながら、こうした図書を寄

贈してもらい、保存をしていく方法がないだろうか。
 徳島市に大日本史が寄贈された、県内ではそういうことが多くある。小中学校が、阿波文庫の捺印のある珍しいものを持ってい

る可能性がある。司書、司書教諭がいる中で、そういう連携を図っていただけたら、こうした消失していく古文書類の収集が可能で

はないか、よろしくお願いしたい。
 
(委員) 
・図書館のない地区、特に神山町・石井町には、図書館ができてほしい。また、那賀町も、図書館は、木頭地区にはあり、他はない。

つるぎ町にもない。ネットワーク構築後は、自宅からも図書を借りられるということを、村の広報を通じて宣伝し、県内における不平

等をなくすとともに、その上で、引き続き、県立図書館からは、未設置町に、図書館ができるよう働き掛けをお願いする。
 
(事務局)
・ネットワーク図書館の事業は、市町村に図書館があって、そのうえに、システムを構築していただく、というのが条件となるが、経費

もかかることであり市町村のご協力が必要である。
 システムには、図書館のない地域の方にも、利便性を感じていただけるようにしたい。
 個人あてに宅配はできないので、市町村の施設を経由するという協力をいただいて、県下全域で構築できるよう考えたい。
 
 
【その他】 
(副会長) 
・読書推進運動について、朝読(あさどく)というのが学校等で定着してきているが、第二弾として「家読(うちどく)」というのが、全国で

静かなブームとなっている。これは、家庭内における円滑なコミュニケーションを図り、いじめを未然に防ぐ手段につながる。県立図

館としても、家読の推奨を県下の皆様に指導していただきたい。
・情報化社会に関し、県内においても情報リテラシーの格差がある。
 以前図書館の職員にレファレンスを依頼し、文献の調べ方を教えていただいた。これからも一般の方々を対象として、高度なレフ

ァレンス、調べ方の講座・指導をし、支援していただきたい。
 レファレンスは、受け身になりがちだが、司書業務のキャリアアップにつなげ、県民の潜在的なニーズを把握して指導していただき

たい。
 
(事務局)
・家読は、まだ全国的な広がりとはなっていないと思われる。「こういう活動がある。」というようなPRも団体との連携により行うことは

可能かとは思う。
・読書は、市町村を中心にした取り組みが肝要であり、市町村との連携を図りながら可能かどうか考えてみたい。
・情報リテラシーに関する講座開催について、まず、来年度、県職員を対象とした講座を検討している。その経験をもとに、一般の方

を対象に、実施できるか研究をしてまいりたい。
・今も、レファレンスについては司書の本業と考え、職員の持てる力を十分に発揮して対応している。
 
(委員)
・入館者はなぜ減ったのか、その原因は、把握しているか
 
(事務局)
・図書館には、新刊が減り、魅力が少なくなり、来館者の足が遠退いた、ということが、新聞にも投稿されたが、それが一番大きな原

因ではないかと考えている。
 予算の減少について、資料費の内訳は、平成15年度の全国順位8位から、同20年度40位と低下しているが、徳島県の40位と

いうのは、県の財政力からするとやむを得ない位置ではないか。これまでの8位というのが異例とも言える。
 図書資料費が減り、平成15年度は、新刊の46.7%程度購入できていたのが、同19年度は19.6%になっている。
 本県図書館の特徴としては、入館者が多い、徳島市内及び周辺の方が多い、リピーターが多いということから、新しい図書がない

と魅力が感じられないので、減っているのではないかと推測している。
 
(委員)
・現在、不況のため、本を買わない人が増え、平成21年度は、図書館に行く人がどう変化するか興味を持っている。
 私は美波町に住んでおり、図書館のネットワークを利用して本を借りることは便利だった。このことを県民の方々は感触がつかめ

ていないと思う。
 
(事務局)
・図書の貸借に関し、利便性の向上を図るとともに、魅力ある本をそろえられるよう工夫してまいりたい。
 
(文化の森振興室長)
・予算がますます厳しくなるといわれるが、文化の森全体予算が減っている中で、図書館と他の団体との連携の話もあったので、少

しでも工夫して、来館者数、利用者数を上向きにしていけるよう、文化の森振興室職員一同もがんばってまいりたい。
 また、平成22年度には、文化の森開館20周年事業を予定している。各館が、独自に行ってきた事業を、連携して、テーマに沿っ

た事業を行うなど、予算を掛けずにできることは十分に実施したい。また、併せて、「鳥居記念博物館」のリニューアルオープンもあ

り、これが平成22年度の目玉であるが、鳥居龍蔵だけでなく、徳島の生んだ偉人等、県人にスポットを当てた取り組みも考えている。

今日いただいた貴重なご意見を、今後に活かしてまいりたい。
 
(会長) 
・鳥居記念博物館の開館で、文化の森の既存館全体が埋没することなく、また、図書館としても、静かに読書できる環境の提供と、

来館者に夢を与えるような図書館運営を希望する。
予算も人員も削減されていく中、図書館職員の皆様にはがんばっていただきたい。
 以上を持ち閉会したい。
 
 

このページに関するお問い合わせ

図書館 企画課
電話番号:088-668-3500 ファクシミリ:088-668-6904