なす(夏秋) 6月の管理について

なす(夏秋) 6月の管理について

2017年6月2日

1 ホルモン処理
 初期の草勢バランスをとるため,第1花から確実に着果させるようホルモン処理を行います。

 開花直前から当日にホルモン処理を行います。6月中下旬ごろまではホルモン処理を続けます。

 (梅雨時期の天候不良時も,ホルモン処理は花落ち防止に効果的です)

 1番果の収穫は草勢を見て時期を決めます。

 

2 主枝の誘引
 一般的な4本仕立ての場合,第1番花を中心に発生する強い枝を主枝として伸ばし,それより下のわき芽は早めに取り除きます。草勢の強い場合は,わき芽を1,2本残し草勢を調節します。

 

ナス 枝イラスト.jpg

 

 最初に蕾のついた枝を第1主枝とし,

 その蕾の直下から出る側枝第2主枝とします。

 第1主枝の2番目の蕾直下の側枝第3主枝とします。

 次に強い側枝は1番果の2葉下から出るものですが,第1主枝,第3主枝と同じ方向に出るため,この側枝は第4主枝にせず,早めに取り除いておきます。

 第4主枝は第2主枝の最初の蕾の下の側枝を伸ばします。

 

1段目までの誘引.jpg

写真1:誘引例1(マイカー線1段目までのヒモを使い誘引した様子。後日,1段目より上のヒモを設置する予定。)

 

誘引の写真2.jpg

写真2:誘引例2(マイカー線1段目以上を含め,一度に誘引のヒモを設置している様子。)

 

※誘引ヒモの設置方法は複数存在します。

 

3 側枝の管理
 花が咲いたらその上の葉を1枚残して摘芯します。

 

側枝の管理写真1.jpg

 

側枝の管理写真2.jpg

 

4 台風対策
 早めに防風ネットや支柱の補強を行っておきます。防風ネットに加え,ソルゴーも効果的です。

 雨水等が長期間ほ場に溜まらないよう,排水路を設けます。

 

5 病害虫防除
 梅雨に入り,うどんこ病,灰色かび病,褐色腐敗病が発生する時期なので,殺菌剤を予防散布します。また,不要な葉の葉かぎを少量ずつ行い,風通しを良くすることも大切です。

 ハダニ類,アザミウマ類等の害虫も散見されているので,ほ場を観察し,発生が確認されるようであれば,初期防除に努めます。

 6月は,昨年度発生の多かった「コアオカスミカメ」の発生が始まる時期です。新芽の吸汁あとがないか念入りに確認します。次の写真は昨年度の様子です。

 

コアオカスミカメによる新葉の食害.jpg

写真3:コアオカスミカメの食害を受けた新葉

 

コアオカスミカメ_01.jpg

写真4:コアオカスミカメの成虫(体長12ミリ程)

 

コアオカスミカメ_02.jpg

写真5:コアオカスミカメの成虫(上から)

 

コアオカスミカメ_03.jpg

写真6:コアオカスミカメの成虫(横から)

 

 また,梅雨時期は,半身いちょう病の発生する時期です。同じほ場で前年度に発生していた場合には,葉の黄化症状などを注意深く観察してください。発生が疑わしい場合には,マイカー線に赤いヒモ等で目印を付け,葉かぎや収穫の作業を他の株と区分します。

 この時期の株は広範囲に根を伸ばしているため,病気の株は抜き取らず,株元から切断し切断面をビニールテープで巻きます。

 株を抜き取ると隣の株の根を傷める原因となり,病気の感染を拡大させる危険性があります。

 耕種的防除法としては,栽培期間中,特にほ場の排水環境に配慮します。

 

半身いちょう病.jpg

写真7:上段➀ほ場の様子,➁葉の症状,➂切断面(細菌で導管が詰まっている)

     下段➃半身いちょう病発症株の全主枝(発生中期,症状の現れた枝とほとんど現れていない枝が共存しているのが特徴)

 

6 バンカープランツ(天敵用植物)の追加定植等 

 ほ場の設計図を参考に,バンカープランツ(ソルゴー,オクラ,マリーゴールド,ゴマ等)の種を播きます。
 バンカープランツには,タバコカスミカメ,ヒメハナカメムシ,ヒメカメノコテントウ,カゲロウ,ヒラタアブ等の天敵昆虫が集まってきます。天敵昆虫にやさしい農薬を選択することで天敵昆虫の定着を促すことができます。

 

バンカープランツ配置例1.jpg

図:バンカープランツの配置例1(ソルゴー,オクラ,マリーゴールド,ゴマ)

 

【参考】バンカープランツの播種時期等
 ■ ソルゴー 品種:つちたろう
  ナスに害を及ぼさないアブラムシが発生し,アブラムシを捕食するテントウムシ等が集まります。

  ※2条,条間60cm,株間10cm。1カ所1粒。
  ※は種:4月下旬~5月上旬。直まき後にたっぷりかん水。
 ■ オクラ  品種:まるみちゃん
  天敵昆虫ヒメハナカメムシが好みます。

  ※1条,株間15cm
  ※は種:5月上旬。セルトレイへ1穴3粒は種して育苗後に定植。
 ■ マリーゴールド 品種:フレンチマリーゴールドのボナンザオレンジ又はボナンザイエロー
  天敵昆虫ヒメハナカメムシが好みます。

  ※は種:5月上旬。直まき(1mに30粒),又は育苗(セルトレイで1穴1粒)後に定植。
    育苗した苗は株間30cm。
 ■ ゴマ 品種:白ゴマ 又は 黒ゴマ
  天敵昆虫タバコカスミカメが好みます。

  ※は種:1回目:5月中下旬,2回目:6月中下旬,3回目:7月中下旬

  5月には種できていない場合は,6月から1カ月おきには種。育苗又は直まき。

  密植させない。1カ所に1本(又は2本)植えとします。

  ※畝の端や日当たりの良い北側の筋(ソルゴーや防風ネットの南側)に加え,ほ場外の空いている(日当たりの良い)場所に植えておくのも効果的です。

  ※強風等で倒伏しやすいので,支柱やマイカー線等で補強します。

 

 バンカープランツ配置例3.jpg

写真8:バンカープランツ配置例2(ソルゴー,フレンチマリーゴールド)

 

バンカープランツ配置例3.jpg

写真9:バンカープランツ配置例3(畝端のゴマ)

 

8 天敵昆虫写真 

ゴマのタバコカスミカメ.jpg

写真10:ゴマに定着したタバコカスミカメの成虫(体長3.5~4ミリ)

 

ゴマのタバコカスミカメ幼虫.jpg

写真11:ゴマに定着したタバコカスミカメの幼虫

 

オクラのヒメハナカメムシ.jpg

写真12:オクラに定着したヒメハナカメムシの成虫(体長約2ミリ)

アザミウマを捕食するヒメハナカメムシ幼虫.jpg

写真13:アザミウマを捕食しているヒメハナカメムシの幼虫

 

※掲載写真は全て徳島県吉野川農業支援センターが撮影。

  

(参考)29年5月分 掲載アドレス

 http://www.pref.tokushima.jp/shien/docs/2017042800183/

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