賃宅住宅の修繕費トラブル(H27.4)

実際に県消費者情報センターに寄せられた相談をご紹介します。

賃宅住宅の修繕費トラブル(H27.4)

2015年4月9日

 春は入学や就職、転勤などで引っ越しが多い季節です。アパートやマンションなどの賃貸住宅を退去するとき、修繕費の負担をめぐり、家主と借主との間にトラブルが発生しやすくなります。トラブルの主な原因は、住宅の「原状回復」が正しく理解されていないことにあります。
 借主は退去するときに、部屋を元通りにして返す義務がありますが、国土交通省のガイドラインでは、入居時の状態に戻すということではなく、借主の故意や過失などで、通常の使用方法を超える使い方によって生じた損傷などを復旧することだとされています。
 修繕費や原状回復に関する相談件数は平成21年度から平成25年度までの5年間で計207件、月別では2月が23件、3月が29件、4月が22件と年度替わりが多くなっています。
 事例では、20代の男性は5年間住んだアパートを退去するとき、一部のフローリングやクロスの張り替えで費用がかかり、入居時に預けた敷金15万円は返還されず、さらに追加金を請求されました。他の事例では、ふすまや障子、畳の交換を強制されたり、家主との立会いで指摘されなかった箇所の修繕費を請求されたりするなど、追加金が10万円以上の高額になる場合もありました。
 敷金とは、賃貸借契約の終了時に、借主が家賃を滞納したり建物に損害を与えたりした場合などに備えて、家主があらかじめ担保として預かるお金のことで、退去するときに返還されます。しかし、借主が支払わなければならない債務が残っていると、敷金からその額が差し引かれることになります。
 契約によっては「借主が負担」「無条件で敷金の一部を控除(敷引き・償却条項)」といった特約があるケースもあり、契約書はよく確認する必要があります。
 修繕費や敷金をめぐるトラブルを避けるためには、借主は家主に原状回復の基本的な考えをただしながら、退去時だけでなく入居時にも家主と立会い、部屋の状況を確認するとトラブルの防止に役立ちます。写真やメモなどで記録しておくと良いでしょう。
 また、修繕するときは、費用の見積書や明細書などを示してもらい、修繕方法についてもよく話し合いましょう。納得がいかなければ複数の施工業者から見積りを取ることを、家主に要求することも有効です。